X Instagram

WORKS

製作実績

紙箱パッケージ製作において、商品の背景や思想をどう表現するかは重要なテーマです。今回承ったのは、十山株式会社さんが手がけるシングルモルトウイスキー「DESSIN SERIES Flora & Fauna」の第二弾。南アルプスの自然の恵みを“シェアする”という思想のもとに生まれたウイスキーで、生態系を題材にした世界観が特徴です。私たちも、その想いを受け止める紙箱パッケージ製作に、緊張感をもって取り組みました。

 

製品仕様

クライアント 十山株式会社
用途 ウイスキーボトルを入れる紙箱パッケージ
材質 岩はだ貼合品
印刷 表:4色+マットニス/裏:特色1色+マットニス
形状 紙箱・ワンタッチ箱
納品エリア 静岡県
製作期間 約半年(事前準備2〜3カ月以上。オーダーから1カ月ほど。)


ご依頼内容

このご依頼は、別の取引先さんからのご紹介でスタートしました。技術的に対応できるかどうかの問い合わせ、という形でお声がかかりました。こういう場合、私たちはご要望を聞き、調べて、試作品を作って返答します。技術的に難しいものほど試作を厳密に行います。このフローは永幸では通例となっており、とても合理的だと考えています。

 

高品質な紙箱パッケージで商品コンセプトを表現

中身のウイスキーが700mlなので、紙同士を貼り合わせる貼合で強度を持たせる必要がありました。まず、十山さんのグループ会社である特種東海製紙さんの紙の中から、商品のテーマやコンセプトに合う紙を2種類選んでいただき、本機校正を実施。「岩はだ」という、風合いのある凹凸が特徴の紙に、板紙のグレーの面を貼合したところ、凹凸が立体的に際立ち、まさに岩肌のような質感に仕上がりました。十山さんのご担当者とデザイナーさんが気に入ってくださり、岩はだ貼合品に決定。また、紙箱の内側が白いままだと質感に欠けるとのご意見をいただき、クリーム色に印刷しました。

デザインはお客様からのご支給です。Flora(フローラ:ラテン語で「植物」の意)とFauna(ファウナ:ラテン語で「動物」の意)という2つのウイスキーそれぞれに、南アルプス由来の植物と動物のイラストをボトルラベルと紙箱に配しています。2025年のFloraはオオサクラソウ、Faunaはライチョウがモチーフでした。

初回発売のときは、紙箱のフタが湿度により膨らんでしまったため、フタのサイドを内側に折り返して厚みを出すことで膨らみを抑えるよう改良しました。十山さんは、ウイスキー業界へ参入されるに当たりリサーチをされていて、さまざまな紙箱パッケージからヒントを得て、私たちにアドバイスしてくださいました。こんなふうに、お客様と「一緒につくる」スタイルが永幸の特徴なのかもしれません。

岩肌のような質感の特殊紙に金の箔押しを施した紙箱パッケージ

「岩はだ」特有の凹凸と美しい陰影
イラストは南アルプスに自生するオオサクラソウ

フタの折り返し構造と内側の色が分かる紙箱パッケージの開封状態

フタの膨らみを裏から抑える折り返し
内側のクリーム色がさりげない高級感を演出

 

紙箱の表面に配したのは、モチーフであるオオサクラソウが実際に植生するエリアの写真です。南アルプスの動植物とその生息地、植生エリアの風景がそれぞれのデザインに反映されます。十山さんが属する特種東海製紙グループさんは静岡県の北端に広大な「井川社有林」を保有しています。南アルプスの自然保全を前提に、その恵みを活用することで社会的貢献と経済活動を両立させることを目指し、十山株式会社さんを分社化しました。社有林に湧き出る天然水を使い、そこに植生するミズナラ材で樽を作り、南アルプスの自然の恵みを「シェアする」手段としてウイスキー作りが始まりました。これらの活動のシンボルともいえる製品が「DESSIN SERIES Flora & Fauna」です。

 

紙箱パッケージ表面画像

オオサクラソウが植生するエリアの奥深い森林が紙箱の背景に

 

この紙箱パッケージは、箱を広げるだけで底面が組み上がる「ワンタッチ箱(自動底箱)」を導入しています。組み立てる人の負担の軽減と強度の両立をしたいという十山さんのご希望を叶えた仕様です。すみずみにまで行き届いたこだわりを詰め込んでいるのが、この紙箱パッケージの特徴です。

初回製作の際に本機校正を行ったところ、箱を組み立てた際に角の部分のインキが割れ、わずかに白くなる現象が発生しました。そこで、紙を90度回転させ、紙の目の流れを変えて割れづらくなるように改良しました。

 

こだわりの紙箱パッケージ製作を支える緻密な工程管理

特殊東海製紙さんの紙を板紙と貼合しているため、材料の準備に最低でも2カ月以上はかかります。1年を通して、材料の準備を計画的に行うことにしました。その材料を用い、印刷・抜き・箔押し・手作業・貼り加工を3週間で行います。材料の準備に時間がかかるということは、工程のどこかでわずかなミスでもあれば取り返しがつきません。きめ細やかに神経を使って進行管理を行なっています。

 

工夫したポイントのまとめ

①陰影を美しく際立たせる岩はだ貼合の紙
②フタの膨らみを防ぐ折り返し
③組み立てがスムーズなワンタッチ箱
④紙の目を読み、インキの割れを防止
⑤早め早めの事前準備と打ち合わせ

 

紙箱パッケージ製作を振り返って

貼合した製品を作れる会社は限られています。そんな中でお声をかけていただき、高いクオリティで仕事をしているとお褒めの言葉をいただきました。私たちとしては商品が持つ背景やテーマを大切に考え、ふさわしい紙箱パッケージ製作が実現したことにホッとしています。とはいえ、まだまだシリーズは続きますから、気持ちを引き締めてより良い品質の紙箱パッケージを作っていきたいと考えています。

お問い合わせ、ご相談はお気軽にこちらからどうぞ!

今すぐ問い合わせる

カテゴリー

アーカイブ

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます。

X Instagram
一覧に戻る